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2014.07.24

今日の妄想

ぼくが悪かった。
君にひどいことをした。

君になら、どんなひどいことをしても、許してもらえると思っていたんだ。

君が困った顔をするのが好きだった。

君の困った顔を見たくて、ひどいことをした。

ぼくが悪かった。
君にだけ、とてもひどいことをしていた。




君のもう振り返らないといふ場所に夏の木陰ができてるだらう 澤村斉美

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2014.07.22

●一昨日活字になった俳句

●少年が少年漫画読む梅雨入

東京新聞、東京俳壇。小澤實選。

帰宅途中の電車の中の光景です。

梅雨入と書いて、「ついり」。
歳時記には知らない言葉がまだまだたくさんある。

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2014.07.20

●今日の妄想

うわっ。たくさん!

うん。バイキングだからね。

いつもそんなにたくさん食べてるの?

そんなにたくさんかなあ。おまえのほうが、少なすぎるんじゃないの?

そうかな。

そうだよ。で、今日はどこに行こうか。

どこでもいいよ、君となら。
どこでもいいよ、君となら。



ほんとうは電池式だと知っている彼とあさひのみえる朝食 吉岡太朗
『ひだりききの機械』(短歌研究社)

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2014.07.19

●今日の妄想

とうとう最後のふたりになってしまいましたね。

そうですね。あっというまに、みんないなくなってしまいました。

ええ、あっというまに。

ほんの数年前までは、70億人ぐらい、いたはずでしたが。

70億人もいたんですか。それは知りませんでした。そんな中で、わたしはあなたに会えたのですね。

そうですね。わたしもあなたに会えました。

おやすみなさい。

おやすみなさい。




ひさかたの天つみ空に照る月の失せなむ日こそ我が恋止まめ 万葉集巻12 3004

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2014.07.18

●今日の妄想

もう帰るの。

うん。

傘はあるの。

うん。

明日も来てくれる?

来るよ。明日も明後日も、毎日来るよ。

ほんとう?

今までぼくが、きみに嘘をついたことがある?

もう、よくわからないんだ。
ぼくは毎日少しずつ記憶をなくしていく病気だから。

そうだったね。

でもきみのことだけは忘れない。

ありがとう。

じゃあ、またね。
雨に濡れないように、気をつけて。
雨に濡れないように、気をつけて。




水銀の如き光に海見えてレインコートを着る部屋の中 近藤芳美『埃吹く街』

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2014.07.17

●今日の妄想

気をつけて。
忘れ物はないね。

きのうの宴は、
とても楽しかった。

きみはほんとうに
仲間に愛されていたのだね。

きみが帰るころ、
わたしはもうここにはいないけれど、
そんなことは気にしなくていい。

そのシャツ、
きみにとてもよく似合っている。

ああ、まるでわたしの若い頃を見るようだ。

気をつけて。
忘れ物はないね。








心に酢満つるゆふべの祝福とわかものが肉充ちし緋のシャツ
塚本邦雄『綠色研究』




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2014.07.12

●今日の妄想

おまえはこの町をでていくという。

わたしが与える食べ物も、服も、もういらないという。

わたしが本当におまえに与えているものは、食べ物でも、服でもないことに、おまえはまだ気づいていない。

この町をでたら、おまえはすぐに死んでしまうのに。

おまえはこの町をでていくという。



一つずつ気づかれぬよう盗みだすおまえの部屋のあらゆる地図を 久野はすみ/迷路「未来 2014年7月号」

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2014.07.10

●今日の妄想

ほつりほつりおしゃべりをしていたはずなのに、ふたりともいつのまにか眠っていたみたい。

ほつりほつり。

わたしが質問すると、あなたは、うん、か、ううん、で答える。

ほつりほつり。

ときどき、どちらともとれるうぅんがあって、わたしは迷う。

そうしてわたしたちは、お互いの中で迷子になるのだけれど、時間がたてば、やっぱりお互いを見つけ出す。




花いばら髪ふれあひてめざめあふ  小池文子

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●今日告知する歌集批評会

●久野はすみさんの第一歌集、『シネマ・ルナティック』の批評会のご案内です。


こちらから、どうぞ!

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2014.07.07

●先週活字になった短歌

わが髪が抜けるとすぐにわが肩の肌は異物として判定す

日経歌壇。穂村弘選。2014年6月29日掲載。

*********

忙しいっていうのは心を亡くすと書くのですね。(遠い目……)

この歌、実はちょっと言葉が動くかな、と思っていて
「わが肩の肌」よりも、
「わが肩の皮膚」のほうがよかったのかもしれません。
肌より皮膚のほうが、<無機質感>が出る気がする。

でも、WAGAKATANOHADA のほうが、WAGAKATANOHIFU よりも、A音が多い、
初句が WAGAKAMIGA で、A音が多いので、それにひきずられた態にしたい気もする。

「抜けるとすぐに」よりも「抜けたとたんに」でT音を響かせたほうがよかったかな、とかも。

いずれにしても、GAKA という音のつらなりがもともときれいではないからなあ。

うだうだうだ。

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2014.07.06

●今日の妄想

電車の中でぐずぐず泣くの、やめてくんない?

電車の中で泣くのって、ずるくない?

電車の中で泣かれると、俺がお前をいじめてるみたいだろ?

なあ、頼むから、泣き止んでくれよ。

もう、俺、どうしたらいいか、わかんないよ。
もう、俺、どうしたらいいか、わかんないよ。



泣いてると鼬(いたち)の王が来るからね  川上弘美
『機嫌のいい犬』集英社

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2014.07.05

●今日の妄想

いろいろ悩んだけど、結局東京の大学に行くことにした。

そっか。

そんな顔すんなよ。夏休みには帰ってくるし、就職先は、こっちで探そうと思ってる。

俺も東京の大学、受けとけばよかったな。

だめだめ、お前はここを離れられないだろ。

そうだな。俺はここから、離れられないな。

東京に行っても友達だから。
東京に行っても友達だから。



卒業は明日シャンプーを泡立たす 高柳克弘
『未踏』ふらんす堂


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●今日買った雑誌

●Scapes 8月号

穂村弘さんの連載「二足歩行の日々」に、
プラスチックの短歌を引用していただきました。

雑誌の特集は、ニュージーランド南島。
友達がニュージーランドに住んでいたとき、
一度遊びにいったっけ。

まだわたしにパスポートがあった頃。



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2014.07.04

●今日の妄想

こんにちは。宿題のプリント、持ってきました。

あら、とおる君、ありがとう。いつも悪いわね。
さとる、いま、縁側で西瓜食べてるの。とおる君も食べてって。

ありがとうございます。じゃ、お邪魔します。

さとる君、プリント、持ってきたよ。

あ、ありがとう。明日は学校いくからさ。

うん。

学校では、あんまり僕と喋ってくれなくていいよ。とおる君まで、奴等の標的になっちゃうから。

うん、わかった。

この西瓜、おいしいね。

この西瓜、おいしいね。



友に友と思はれてをる端居かな 佐藤文香
『海藻標本』ふらんす堂

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2014.07.03

●今日の妄想

どう?少しは落ち着いた?

うん、なんとか。ここ、涼しくて気持ちいいね。

そうだね。お互い、いろいろ余分なもの、捨てちゃったしね。身軽が一番さ。

こうなってみると、今までのことがすべて夢のような気がする。

今までが夢だったのか、今この時が夢なのか。

これからが長い夢なのかもしれないよ。

そうだね。これからもずっと仲良くしておくれ。
これからもずっと仲良くしておくれ。



桃咲いて骨光りあう土の中 神野紗希
『光まみれの蜂』角川書店

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