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2012.03.08

●きのうtwitterでつぶやいたこと

●こんな感じ


「文學界」4月号から、穂村弘さんの新連載「も詩も詩」スタート。「幻聴妄想かるた」(医学書院より発売中)と与謝野晶子の短歌について。


同じく穂村弘さんの連載25回目「現代短歌ノート」は、「群像」4月号。齋藤芳生さん @chicayoshi、大滝和子さん、 虫武一俊さん @mushitake などの短歌がひかれています。


純文学系文芸誌に、似たような感じの連載をふたつ同時に持った穂村弘さん。穂村さんはエッセイストという肩書き(と実績)を持つことで、一般のひとに通じる回路を獲得したんだろうな。


でもそれが、ほんとうに「一般のひと」なのかどうかは疑問。文芸誌を毎月毎月読んでいる人って、いったい何人ぐらいいるんだろう。(東京ドームはいっぱいにできますか?)


先日、笹井宏之さんの短歌作品がのっている「佐賀新聞」を読んだときにも、そこに書かれていた笹井さんの歌集の販売部数に結構衝撃を受けたのだった。


「えー、それだけの人にしか(まだ)届いてないのっ?」という意味で。(東京の大きな書店の詩歌コーナーには笹井さんの本が複数冊ならんでいるから、もっと届いている、という印象があった。)


(東京の大型書店を基準にして本の流通を考えることが、偏っているのは承知の上。いま、歌集に限らず、本の販売部数が減っていることも承知の上。書店の詩歌コーナーには、あまり人が立ち入らないことも承知の上。)


本好きで、小説からノンフィクションまで、さまざまなジャンルを読んでいるニックヨックさんに、たまに歌集を「読んでみる?」と貸すのだけれど、ニックヨックさんを「短歌を読む人の側」にひきずりこむことができない。


(それほど大量に貸し出したわけではないけれど、ニックヨックさんにヒットしたのは、杉﨑恒夫さんの『パン屋のパンセ』(六花書林)ぐらいかなぁ。俳句では、池田澄子さんがヒットしました。)


「短歌を読む人」って、「短歌に呼ばれている人」という気がする。だから、短歌を読んでいるうちに、短歌を作るひとになってしまって、その結果、短歌作者ニアリーイコール短歌読者、という構造になってしまうんだろう。


で。2月のみなとみらい歌会で「いい歌ですね」と話題になった、沼尻つた子さんの短歌。
よこたわる汝の胸しずかでたいらかでふれればみえなくなる水鏡(沼尻つた子/「歌壇」2月号歌壇賞次席「温度差の秋」より)


ちょろ玉さん @chorodama が、「この歌を鑑賞して、いい歌だという人は、結社に入っている人が多かったですね。どういうふうに読めばいいんでしょうね」と、雑談タイムに話していたのが印象に残る。

つまり、「短歌の読み方」というのは、歌会などを通じて、積み重ねていくことができるものってこと? では、「短歌をつくる」ほうは?


枡野浩一さんは、先日の「夜のクリエイター大学」で、「じょうずな人は最初からじょうず。そうでないひとは、なかなかうまくならない。」的な発言をしておられた。(ニュアンスがちょっと違うかもしれない。)


「短歌をつくる」ほうは、どうなんでしょうね。歌会では「うまい歌だけれど、心にぐっとくるものがない」と評されるようなこともあって、「うまい歌」イコール「いい歌」ではなかったりもする。


でも、歌会を通じて、ちょっとした作歌のコツ、のようなものは、確実に伝授していただいている実感はある。


『ひとりの夜は短歌とあそぼう』沢田康彦・東直子・穂村弘(角川文庫)で、取り上げられている猫又の同人のひとたちの短歌は、うぉぉぉぉ、という勢いがあるものが多くて、ああ、こういう短歌を作りたいな、と思うのだった。


話が少し脱線するけれど、結社の先輩に、「短歌の世界は、物々交換なのですよ」と言われたことがあって、なるほどなぁ、と思ったことがある。大事な宝物を、その大切さをわかってくれる人に贈呈し、かわりに他者の宝物を受け取るのだ。


それは、歌集、という単位でもあるし、一首、という単位でもありうるだろう。

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twitterアカウントは、mymhnd です。

追記しておくと、笹井さんの歌集の販売部数は、歌集としてはとても大きな数字です。

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2012.03.02

●未来3月号歌稿

●烏賊墨のリゾットゆふべ食べたこと思ひ出すまで死病かと思ふ

●駅からは二分と書いてある場所にたどりつけないわたしが嫌ひ

●ひとりぶんできた薬をあげませういつまでたつても死ねない薬


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3月号の締切は、去年の12月15日。
年末進行まっただなかで、3首しか出せなかったのだなぁ。

3首目は、朝日カルチャーセンターの短歌講座「穂村弘の歌会」に提出した
<恐怖>のテーマ詠作品を改稿したもの。

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