●今日読んだ「俳コレ」(邑書林)
●太田うさぎ「蓬莱一丁目」より
遠泳のこのまま都まで行くか
ふたしかなものに毛布の裏表
もう来ない町の鯛焼買ひにけり
***
読んでいて、とても気持ちのいい風が吹いてくるので、つい深呼吸をしたくなる。世界を素直に肯定している作者を感じる。
見積書も、エリックも好きでした。
●太田うさぎ「蓬莱一丁目」より
遠泳のこのまま都まで行くか
ふたしかなものに毛布の裏表
もう来ない町の鯛焼買ひにけり
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読んでいて、とても気持ちのいい風が吹いてくるので、つい深呼吸をしたくなる。世界を素直に肯定している作者を感じる。
見積書も、エリックも好きでした。
●岡村知昭「精舎」より
秋風も抒情詩もいや三宮
わたあめのあやうし万愚節の朝
マフラーをして本名でやってくる
***
うわあ、困った。二物衝撃の句の激しさに、正直わたしの読解力も想像力もついていけない。もう少し、手がかりが欲しい。音に対する意識は高い作者だと思う。
そんなわけで今夜の三句は、音の響きで二句、二物衝撃でないのを一句。
●ともだちのこどもがそこにゐるときはさはつてもいいともだちのおなか
日経歌壇 2011年の秀作。穂村弘選。
田中氏の「永遠に」、本多氏の「おなか」、山上氏の「ジグソーパズル」、寺井氏の「時計」は、それぞれ意表をつく発想が五七五七七の中に新しい世界の可能性を開いている。
よいクリスマスプレゼントをいただきました。
初出時、旧かなを一箇所間違えていたことは秘密です。
●福田若之「302号室」より
春はすぐそこだけどパスワードが違う
君はセカイの外へ帰省し無色の街
背後とは雪の別れを置くところ
***
百句読んでいる最中に、ときどきぐっとこみあげてくるものがあって、泣きそうになる。
ヒヤシンスしあわせがどうしても要る
という、一昨日のシンポジウムで取り上げられていた句も、こころに刺さる。
●山下つばさ「森を飲む」より
サイレンとカレーの混ざり合ふ朧
花疲れ岩をさすればここが乳房
花野へと続く数字の羅列かな
***
生物と無生物が境界をあいまいにして、ぐいんぐいん入れ替わる世界。読んでゆくうちに、歌人の大滝和子さんの作品世界に通じるものを感じた。
●野口る理「眠くなる」より
襟巻となりて獣のまた集ふ
梅園を歩けば女中欲しきかな
佐保姫や映画館てふ簡易夜
***
世界を見るまなざしがクールでユニーク。触覚が読者のなかで再現される句が印象に残る。ほのかに恋のかおる句も好きだなあ。
●山田露結「夢助」より
用もなく人に生まれて春の風邪
行く春や途方といふは暮れやすき
うかつにも人の部分を蚊に刺され
***
すてきなアンソロジーなので、一日一作家の作品を読んで、「いいなあ」と思った三句を引いていこうと思います。順不同。
露結さんの俳句では、くすっと笑えて、しばらくしてからしみじみしてしまう作品に、心がひかれました。
●「「なぜ?」から始める現代アート」長谷川祐子(NHK出版新書)
「現代アート」って、よくわからない・・・・・・。
ということで、横浜トリエンナーレにも、
積極的には接触しないままに会期が終わっていたわけです。
(ひとつだけ、連動イベントは見たけれど。)
で、この新書ですが、そんなわたしにも(そんなわたしだからこそ)、とてもおもしろかった!
ここで注目すべきは、植物の写実の巧みさではなく、「象徴化」と「写実」の拮抗、そのバランスです。そして草花間の関係性をつくっている「構図」です。(P33)
よい絵画というのは、技法の巧拙とか、使っている絵の具の質とか、手法の斬新さにかかわらず、活き活きとしているかどうかです。しかも、いま、目の前にある生をそのまま運んできたのではなくて、永遠にそれが活き活きと見えるようにいったん抽象化されている。(P34)
キャラクターというのは、絵画の歴史の中で新しく生まれた、霊性を表す一つのイコンのようなもの、新しい絵画の言語みたいなものといっていいかもしれません。(P38)
不便になること、悪意をもたれてしまうかもしれないこと、社会的なマナーにかなっていないこと、アートは絶えずそのような両義性や矛盾を抱え込むものです。(P164)
などなど、付箋をいっぱいつけながら読んだのでした。
現代アートで、いま、だれのどんなパフォーマンスが注目されているのか、とか、
建築分野へのアートの流入状況、とか、
ほほう、へへえ、ということもわかりやすく解説されていて、
これからは、あまり「食わず嫌い」をせず、
いろいろ「現代アート」を見てみよう、と思った次第。
*****
そういえば、青木麦生さんの「松戸歌壇」をみにいった流れで、
「松戸アートラインプロジェクト2011 暮らしの芸術」で、関谷洋子さんからケーキとお茶をごちそうになったんだけど、
あれも「現代アート」だったんだわ~。
と、思い出す。
伊勢谷さん、サキちゃん、さわこさん、野比ちゃんと、
たまたまもっていた「きれいな短冊」に、即詠した短歌を書いておいてきたわたしたち。
「きれいな短冊」を買いたい方は ツイッターの @tanzaku_ya をチェックするといいと思います。
●KAAT神奈川芸術劇場
「三月の5日間」プレイベント「『三月の5日間』以降とは一体?」 を聞きにゆく。疲れるだろうなあ、と予想はしていたものの、予想以上に疲れてしまう。
第一部は、わたしに「チェルフィッチュ」への愛が足りなかったのと、「表象文化論」に関する知識のなさが敗因。何回も出てくるキーワードのひょうそう、が、漢字変換できないまま、座談会終了。「こんなのは演劇じゃない」と文句をいうおじさん、おばさんのエピソードはおもしろかった。
第二部は、進行がぐだぐだ。司会者の大人は、もう少し、観客のことを考えようよ〜、と思う。
若者たちは、それぞれ変で面白くて、彼らが書いたり演出したりしているお芝居は見てみたくなったけれど、座談会としては、なんだかなあ。演劇関係のこういうイベント、始めて参加したんだけど、びっくりしてしまった。最後の最後、客席からの質問が一番まっとうだった印象。
●膝小僧ばかりみてゐた隣にはとほいあなたが腰かけてゐた
●尖りたいあをく冷たい火のやうにきみの目をみて話すときには
●しあはせを絵に描くときの絵の具など売つてをります(決算セール)
●この場所でビラやチラシを撒くことは禁止されてる 詩歌はどうか
●揺れてゐるからだをみれば母親といふ肉体が子をあやしをり
●遺伝子の乗物たちが手をつなぎ真夏ポケモンラリーがゆくよ
●わたくしはもはや余生を生きてゐる子をなさぬとはさういふことだ
●なにひとつわたしのものでないことを前提として借りてる言葉
●半袖のひとを少なくするために地球しづかに回転をする
●ちちははと離れて暮らし金曜がくるたび祈るぴんぴんころり
******************
あっというまに12月。
夏の大会で行われた対談の誌上採録(岡井隆VS穂村弘)が17ページもあって、びっくり。
ゆっくり読もう。
「ニューウェーブ」のシンポジウムのレポートは、ヤングな才色兼備女子によるもの。
こちらも楽しみ。
●「日常キングダム」増刷キャンペーン
気がつけばいつのまにか、わたしのOLクラブのお友達の大多数が、天国ななおさんと仲良しになっていました。
今日は、そんな、ななおさんと仲良しのみなさんにお知らせ。
ななおさんの甘酸っぱい、ちょっぴり自伝的な小説が読める「日常キングダム」という同人誌があります。
後藤グミさんのイラストやデザインもおしゃれ。ほかにも、短歌や俳句、小説にレポートと盛りだくさんの内容です。
すでに、完売してしまっているのですが、ただいま、増刷キャンペーンを展開中です。
もしよかったら、わたしのmixi日記をみてください。よろしく、よろしく。
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