2012.01.10

●最近引用された歌

●パトラッシュが百匹いたら百匹につかれたよっていいたい気分(本多響乃)

2010年12月、ものすごく忙しくてたいへんだったので、
帰りの電車でtwitterに流した短歌。

この短歌(と、その後の「パトラッシュ短歌現象」)を、未来の先輩である久野はすみさんが、
短歌同人誌「遊子」18号の
【一首燦燦】というコーナーで、とりあげてくださいました。

枡野浩一さんの提唱する「かんたん短歌」では、いわゆる歌壇的な短歌では武器になりうるもの(詩的飛躍、破調、暗喩など)が、禁じ手になっていて、知恵と定型の力のみによって、ポエジーを生もうとしている、という論が興味深かったです。

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◆参考

【パトラッシュで短歌を詠むよ】のtogetter

【長瀬大さんのblog 短歌ウルフR】 【短考】本多響乃さんの試み「パトラッシュで短歌を詠むよ」で見えたネット短歌の最新モード

先日、ようやく生きて動く長瀬さんにお会いできたのですが、
とてもとてもかっこいい青年でありました。

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今は、12月にがんばった分、ちょっとだけ、のんびりモードです。はうはう。

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●今日読んだ「俳コレ」(邑書林)

●松本てふこ「不健全図書〈完全版〉」より

会社やめたしやめたしやめたし落花落花

炎昼や日本共産党本部

観桜のあとあつけなく別れけり

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なんともいえない迫力のある句がならぶ。落花の句は、日曜日の未来新年会で出た、有くんの短歌や、日経俳壇の桃心地さんの一連の震災句(と、安易にジャンルわけするのには抵抗があるのだが)と同質のもの。

おつぱいを三百並べ卒業式

も、インパクト大。この本の百句以外もたくさん読んでみたい作家。

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2012.01.05

●今日読んだ「俳コレ」(邑書林)

●小野あらた「隙間」より

月光を束ねて熟るるバナナかな

種なしの葡萄の小さき種を噛む

雑煮餅具の食込んでをりにけり

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細かいものに、視線がゆきとどいている句が多い。こういうのって、ともすれば、どれだけ些細なことを発見できるか、という勝負になりそうなものだが、不思議とそういった窮屈さや、かげりがない。

山口優夢さんが、小野さんの撰者で、論も書いておられる。で、論でひかれた句「クリームに苺のいろの染みてをり」の、クリームを練乳とされているのが、ちょっと疑問。わたしは、まずイチゴからぱくっと食べたあとのイチゴのショートケーキを想像したのでした。

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2012.01.04

●未来1月号 歌稿

●仮象/省略

●大阪でお財布なくした瞬間にとんだまゆみになりにけるかも

●めづらしく約束のある週末のひとにあふつてなんだつたつけ

●赤文字系女性雑誌の占ひにいまやわたしの生年はない

●みづうみに落としたといふ鈴のうちかなしいはうがわたしの鈴だ

●よく動く舌のあなたを見てをりぬやがてわたしに来るものとして

●シニフィエのきみは体温を抱くべしをとこにもあるといふ更年期

●血を流す代償として水曜のレディースデイは映画が安い

●牛頭馬頭のTシャツを脱ぐあなたへとふれてゆくことゆるされて地下へ

●泣くための儀式のための祭壇にTSUTAYAで借りたディスクを入れる

●見上げても見上げなくてもそこにある他人行儀なそらのあをいろ

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2011.12.27

●今日読んだ「俳コレ」(邑書林)

●太田うさぎ「蓬莱一丁目」より

遠泳のこのまま都まで行くか

ふたしかなものに毛布の裏表

もう来ない町の鯛焼買ひにけり

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読んでいて、とても気持ちのいい風が吹いてくるので、つい深呼吸をしたくなる。世界を素直に肯定している作者を感じる。

見積書も、エリックも好きでした。

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2011.12.26

●今日読んだ「俳コレ」(邑書林)

●岡村知昭「精舎」より

秋風も抒情詩もいや三宮

わたあめのあやうし万愚節の朝

マフラーをして本名でやってくる

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うわあ、困った。二物衝撃の句の激しさに、正直わたしの読解力も想像力もついていけない。もう少し、手がかりが欲しい。音に対する意識は高い作者だと思う。

そんなわけで今夜の三句は、音の響きで二句、二物衝撃でないのを一句。

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●今日活字になった短歌

●ともだちのこどもがそこにゐるときはさはつてもいいともだちのおなか

日経歌壇 2011年の秀作。穂村弘選。

田中氏の「永遠に」、本多氏の「おなか」、山上氏の「ジグソーパズル」、寺井氏の「時計」は、それぞれ意表をつく発想が五七五七七の中に新しい世界の可能性を開いている。

よいクリスマスプレゼントをいただきました。
初出時、旧かなを一箇所間違えていたことは秘密です。


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2011.12.25

●今日読んだ「俳コレ」(邑書林)

●福田若之「302号室」より

春はすぐそこだけどパスワードが違う

君はセカイの外へ帰省し無色の街

背後とは雪の別れを置くところ

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百句読んでいる最中に、ときどきぐっとこみあげてくるものがあって、泣きそうになる。

ヒヤシンスしあわせがどうしても要る

という、一昨日のシンポジウムで取り上げられていた句も、こころに刺さる。

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2011.12.17

●今日読んだ「俳コレ」(邑書林)

●山下つばさ「森を飲む」より

サイレンとカレーの混ざり合ふ朧

花疲れ岩をさすればここが乳房

花野へと続く数字の羅列かな

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生物と無生物が境界をあいまいにして、ぐいんぐいん入れ替わる世界。読んでゆくうちに、歌人の大滝和子さんの作品世界に通じるものを感じた。

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2011.12.15

●今日読んだ「俳コレ」(邑書林)

●野口る理「眠くなる」より

襟巻となりて獣のまた集ふ

梅園を歩けば女中欲しきかな

佐保姫や映画館てふ簡易夜

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世界を見るまなざしがクールでユニーク。触覚が読者のなかで再現される句が印象に残る。ほのかに恋のかおる句も好きだなあ。

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